大阪日日新聞に掲載されました
更新日:2021年1月8日
11月16日付の「大阪日日新聞」に掲載されました。
「築60年」多文化の場に 夢膨らむリノベ
大阪市住吉区内にあった築約60年の文化住宅を、女性向けシェアハウスに改築する試みが進められている。入居者は60歳以上の日本人と、労働世代の外国人を想定。企画、運営する事業者は「高齢化社会における多文化共生など、新しい生活スタイルを提案したい」と夢を膨らませている。
改築しているのは、1962年に建築された敷地約160平方メートルの2階建て物件。かつては6戸の単身者向け住宅だったが、3年前に最後の入居者が退去。
完全に取り壊し、駐車場にする計画もあったが、同社の松尾重信さんが「空き家の新たな活用法を」とフルリノベーションを提案。住宅困難者とされる単身の高年齢女性と、外国人労働者とのシェアハウスにしようと企画した。
国土交通省のモデル事業にも選定され、9月から大阪市立大などと共同で工事を開始した。
解体を始めたところ、さまざまな問題が発覚。柱や土台の傷みは激しく、基礎部分にも鉄筋が入っていないことから耐震工事を徹底的に行う必要が生じた。現在は市立大の専門家が、補強工事計画を策定して安全な住居に変更する予定だ。
完成予定は来年2~3月ごろ。1階は高齢女性向けの3戸、2階は若い外国人向けの6戸の個室のほか、各階ごとに共同キッチンを設ける。また、1階にはオープンスペースを設け、小規模なイベント開催なども可能にする。
松尾さんは「例えば入居者が料理教室などを催してもらえれば、リタイア後のスモールビジネスにも役立つ」と期待。地域の社会福祉協議会などからは、子ども食堂の場所としての使用も打診されているという。
入居者だけでなく、近隣住民を含め、さまざまな年代や国籍の違う人が集う住宅を目指す。海外から来た人に高齢者や地域住民が日本文化を教え、若者は高齢者の困りごとなどを助けることもできる。松尾さんは「かつての日本にあった緩やかな相互扶助が実現できれば」と望んでいる。
【大阪日日新聞HPより】
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